週刊ワイン

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飲んだワインの備忘録。

Becker Pinot Noir 2019

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今回はこちらのワイン。
ドイツはファルツ地方のピノ・ノワールです。

作り手はFriedrich Becker。
Home – Weingut Friedrich Becker

Becker家は、300年に渡ってワイン生産を行なっており、Friedrich Becker Sr.(フリードリッヒ・ベッカー・シニア)氏の父が協同組合を設立しています。当時の南ファルツは甘口ワインが主流で、組合でも同様でした。
しかし、Becker氏はピノ・ノワールの可能性を信じて、周囲の反対を押し切り1973年に独立して、このワイナリーを立ち上げました。

独立した当初は他の生産者から、酸が強く、すっぱくて不味いブドウと言われましたが、1989年にワインガイドの赤ワイン最優秀赤ワイン賞を受賞するなど、約20年で世界的に評価されるに至ります。
こうした歴史をふまえ、エチケットにはすっぱいブドウとキツネのイラストが使われています。

ワイナリーがあるのは先述のとおり南ファルツのSchweigen(シュヴァイゲン)。
ファルツはドイツではラインヘッセンに次ぐ第二位のワイン生産量を誇ります。
生産量全体の40%を赤ワインが占める、ドイツ最大の赤ワイン産地です。黒ブドウではドルンフェルダーの栽培が最多。
ファルツの南にはフランスのアルザス地方があり、Schweigenは国境に接するところにあります。

Friedrich Beckerの畑の70%は国境を超えたフランス・アルザスにあるとのこと。
複数の特級畑を所有しており、このうちにはモノポールの畑もあります。
いずれの特級畑も、地図で確認するとアルザス側にあるようです。
ブドウ栽培には除草剤や化学肥料は使用していません。

こちらのワイナリーではいくつかピノ・ノワールを作っていますが、今回のワインはエントリーラインのものです。
80%を大樽で、20%を小樽で熟成。ちなみに、樽にはファルツのオーク樽も使われるそうです。

Becker Pinot Noir 2019

色は輝きのあるルビー。アルコール13.5%。
香りは、ラズベリー、いちご、シナモン、腐葉土
明るい酸と、凝縮したエキス感のある果実味。タンニンは緻密で滑らか。

基本情報

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